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お気に入りのMy 水源を見つけよう! 7つの水源巡りモニターツアーご報告

 10月22日(祝)、見事なくらいな秋晴れの日に、南阿蘇サイクリングツアー初のモニターツアーを開催しました!

 

阿蘇の歴史や神話を聴きながら、お気に入りの水を探す7つの水源の旅

 コースはA:1日コース、B:半日コースの2つ。私はAの担当で、約15kmを走る「7つの水源巡り〜火山と神話と湧き水」を開催しました。おかげさまで満員御礼🎊。秋晴れのサイコーのコンディションの日に、集合場所の「あそ望の郷くぎの」に集まってきたのはこの5人のみなさんです。

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 最年少はお母さんと一緒に参加した中学1年生の女の子。ノリがよくて元気な兄さん姉さん達に囲まれての自転車旅です。

 まず最初に、私から水汲み用のボトルを1つプレゼント。7つの水源の水を味見してお気に入りの水を見つけ、このボトルに入れてお土産に持って帰ってもらうのが狙いです。果たしてみんなのMy水源は見つかるのか?! そしていよいよ、ここから先は自転車版ブラタモリがスタート(笑)。コース上にある史跡に止まり、地理歴史神話を絡めた地域のお話をしながら水源を巡って行きます。

 それでは、いざ、出発!!イエーーーイ👍

 

 まず最初に出会ったのが、「本田遺跡」の記念碑。ここは旧久石小学校跡の片隅なのですが、なんとここでは、縄文時代から中世までの遺跡が発掘されていたんですね。

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 実は 、出発地点のあそ望の郷くぎののそばにあるパークゴルフ場には古墳が残されているんですが、そこには、縄文時代から古墳時代までのお墓と集落の跡が発掘調査でみつかっています。阿蘇カルデラはかつて、大きな湖でした。それが、カルデラを取り囲む外輪山に亀裂が入って中の水が流れ出し、長い年月をかけて、今のような人が住める場所に変化していきました。北側の湖は1万年前頃から、南側の湖は3万年前頃から水がなくなったといわれています。縄文時代は1万3千年くらい前から始まったと考えられていますが、その頃にはこの近くで人の営みが始まっていたということでしょうね。

縄文人もこんなふうに噴火を眺めていたのかもしれないなあー」

なーんて思うと、いつもの風景が変わって見えてくるから不思議です😊。

 カルデラの亀裂には色々と面白い話があるのですが、それを説明していると長〜〜くなるので現地でのお楽しみ❤️にとっておいて、先に進みますね。

 

1)妙見神社の池

 最初の水源は妙見神社の池」。こちらの池には水神様と天神様が祀られています。妙見信仰は日本の各地で見られるのですが、熊本では水神として祀られているところが多くあり、それもまた興味深いところなんですよねー。ここの水は硬度が低い超軟水と言われています。

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 池の底から湧き上がる様子や水紋は綺麗だし、見ているだけでなんか、おもしろいんですよね。思わずシャッターを押しちゃう気持ち、わかるなー。

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  このコースはまず、江戸時代に作られた水路「保木下井出」沿いの道を進んでいきます。

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 左手に阿蘇五岳の絶景、右手に透明な水の流れを見ながら進む癒しの道が続いていますが、実はこの水路、次に向かう湧水地が出発点になっているんです。その前に、秘密の場所にご案内。実はここ、ほぼ水平に作られている水路なのに流れがむちゃくちゃ早い! 早いと思うと足をつけてみたくなる! ところですが、流されちゃいそうな勢いなので、ちょっとだけ(笑)。そして、この水量の秘密を探りに先を急ぎます。

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 ・・・と、その前に、噴火している中岳をバックにみんなで記念写真😆

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 水路沿いから県道28号線に出てしばらく進むと、保木下井出をつくた片山松翁さんのでっかい記念碑が。なんと、私財を投げ打って水路工事をしたそうです。この大きさが、この地域の人達に与えた影響の大きさを物語っていますね。

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 振り返ってみと絶景の阿蘇五岳(パノラマ撮影の間に車が消えてます・笑)。

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 これはもう、飛ぶしかないでしょう!!!!!😝

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2)竹崎水源

 そしてこれが2番目の水源、毎分120 t の湧水量を誇る「竹崎水源」です。シーンとした林の中で、滔々と水が湧き出しています。この竹崎水源のすぐ下に保木下井出の取水口があり、久木野地域の350haの田んぼを潤しています。湧き上がる水の美しさと勢いがすごい。

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3)白川水源

 それから白川を渡り、いよいよ今日の3番目、水源人気No.1の「白川水源」へと向かいます。 まずは白川吉見神社にご挨拶。この神社は古くから水の神様罔象女命(みずはのめのみこと)」を祀っている神社です。もう一人の主祭神に「国龍命(くにたつのみこと)」という、高森町にある「草部吉見神社」の神様を祀っています。この神様は阿蘇神社の主祭神健磐龍命(たけいわたつのみこと)」の奥さん「阿蘇津媛」のお父さん。阿蘇神社の末社にもなっていて、両社と所縁の深い神社になっています。江戸時代になると、細川藩が、熊本平野を流れる白川の源流部としてここを祀り、神社を建立したそうで、古くから広く知られた場所だったようです。

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 さてさて、お味の程は?

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4)明神池名水公園
 お昼は4番目の水源「明神池名水公園」のそばの明神蕎麦。蕎麦だけでなく何もかもが美味すぎた! ざる蕎麦膳にはとろろご飯と胡麻豆腐、漬物、蕎麦ぜんざいが付いてきます。温かいお蕎麦のかけ蕎麦膳はごぼ天付きに。

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 この蕎麦ぜんざいの至福感ったらもう!

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 鴨南ばん蕎麦や地鶏南ばん蕎麦の単品に、人気のごぼ天をつけるのもオススメ。

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 あまりの美味しさと満腹感に水の味を忘れる一行でしたが、ここはまだ折り返し地点。そして忘れちゃいけない、まだここの水を飲んでいない!!🤣 そんなわけで、まずは明神池のこれまたそばにある「群塚社(むれづかしゃ)」にお参りし、それから池へと向かいました。

 この神社には子授けや子育ての伝説があるのですが、今回は、ここが古い形態が残っている昔からある神社だということを強調してお伝えしておきましょう。

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 まずは磐座。本殿の奥に鎮座しています。古くから祀られてきたものだと思いますが、安土桃山時代天正年間(1573-1593年)、この近くにあった吉田城城主が子宝に恵まれるように祈願したことから、誕生石という呼び名があるそうです。神社には相撲の土俵や江戸時代(明和4年、1768年)の銘がある石灯篭、古いものを残しながら補修を重ねている拝殿や本殿からも、時代を超えて大事にされてきたことが伝わってきます。

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 そして、祭神はこちら。白川吉見神社と同じ「みずはのめのみこと」があります。文字が違いますが2つとも同じ神様を表していて、白川吉見神社は「日本書紀」の表記、群塚社は神社によくある写真のような表記になっています。

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 明神池は底のあちこちところから水が湧き出していて、3つのパートに分かれています。一番大きなところには、神様を怒らせて追放されてしまった夫の帰りを待つ女河童さんの像が。切ない物語が残っているんですよねー。

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 2番目に大きなところは、錦鯉が泳ぐ湧水エリア。

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 そして一番小さいことろが、飲料用の湧き水を汲むところ。森の空気感とキラキラと光る水がとても綺麗です。この水は、子どもができなかった吉田城主の奥方が子宝に恵まれたことから、誕生水と呼ばれているとか。

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 今も広くて心地よい公園になっていますが、水害で埋まって規模が小さくなったそうです。昔はあと2つ池があったということですから、相当な広さだったんでしょうね。群塚という名前から、古墳だったという説もありますが、はっきりしたことはわかっていません。

 

5)吉田城御献水汲場

 さてさて、お腹もこなれてきたところで、5番目の水源「吉田城御献水汲場(よしだじょうごけんすいくみば)」へと進みましょう。吉田城跡のすぐ近くにあるこの場所は、今も地域の人達が綺麗に手入れをされて、大事にされています。小さな水源ですが水の湧き出る様子がよく分かっておもしろいです。ここは「ハロイサイト」という成分が多く、神戸の灘の湧き水と近い成分だということですが、さてさてお味の方は?😃

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 ここにはエリア分けの図が貼ってあって、水汲み場は絶対汚してはいけないところ、水汲み場から流れ出す水路は物を洗うために使ってよいと書いてあります。それを見て、今度こそ足をつける人(笑)。

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  手をつけて水の流れを味わってみる人。

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 それぞれの楽しみ方をしていると、上の線路をトロッコ列車が走って行きました。車内アナウンスでは「白川水源は人気がありますが、私はここの水の方が美味しいと思います!」と流れてきました。やるなあ、南阿蘇鉄道(笑)! さてさて、5人の判定はどうでしょうか?

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6)小池水源

  6番目の水源は、「小池(おいけ)水源」。こちらは農業用水によく使われている水源で、池のそばには水門があり、道路の下を水路が走っています。こちらは池の奥に水神様が祀られています。

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  生い茂る木々から葉っぱや花の名残が落ちて水面に浮かんでいましたが、綺麗な水をすくってテイスティング

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 そのあとは・・・、広い池に飛び込みたくなる人達😅

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 水源のすぐそばには駅があり、東屋で休憩していると先ほどのトロッコ列車が折り返して高森方面へと進んでいくのが見えました。トコッロ列車はなんだか和んでいいですねー。さてさて、いよいよ水源巡りも残り1つです!

 

 小池水源を出て線路を越えると田んぼに囲まれたパノラマビューの中を進みます。こんな気持ちのいいところ、思いっきり走らないではいられない! というわけで、車が通らない間にスプリントタイムを楽しみました。

www.youtube.com そしていよいよ、最後の水源へと向かいます。

 

7)池の川水源

 7番目の水源は「池の川水源」。幹線道路沿いにあり、たくさんの人が水を汲みに訪れる場所です。水汲み場には兜石という2つの石があり、これが水で隠れる年は雨が多くて凶作、見えている年は晴れが多く豊作という言い伝えがあります。農業に深く携わっている池なんですね。奥にある神社は「岩下神社」。以前は「第三妙見」という名前で呼ばれていたそうで、ここも水に所縁のある名前になっています。

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 神社前の池底は水が湧き上がる様子がよく見えてとても綺麗です。

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My水源はココだ!

 さてさて、こうして7つの水源を巡ってあそ望の郷久木野に帰ってきた一行。気になるお気に入りを聞いてみると

 1位 竹崎水源(2票)

 2位 妙見神社の池、白川水源(1票)

 特別賞 決められない(1票)

でした! みなさん結構、ミネラル分が少なめの柔らかい口当たりのお水の方を選ばれた印象ですね。それぞれ違う感想なのもおもしろいですねー。日常の中で水の味をゆっくり味わう時間はなかなか取れないものですが、南阿蘇のパノラマの開放的な風景とのんびりとした空気の中なら、ゆっくり味わう時間と心のゆとりが持てますよ😊。

 

 ぜひ、遊びに来て下さいね。南阿蘇でお待ちしてまーーーす!

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 (益城町からやってきたサイクリストのお兄さんも加わって、みんなで記念写真😃)

 参加者のみなさん、ありがとうございました!

 

 

ツアーの概要はこちら

earthlifelab-k.hatenablog.jp